車いすの使用者たちが今月、大阪高裁・地裁・簡裁(大阪市北区)に対し、裁判傍聴時の対応の改善を求める申入書を提出した。無遠慮なボディーチェック、補聴器の電源オフ、車いす用工具の持ち込み禁止――。実質的に傍聴を不可能にする求めもあった。障害者の、裁判を傍聴する権利を阻害していないか。「開かれた司法」を目指す裁判所にそんな疑問を投げかけたかたちだ。

 申入書には、女性の車いす使用者が男性にボディーチェックをされた▽法廷内で補聴器が鳴音現象をおこしたため電源を切るよう言われた▽体調管理に必要な水分補給を介助者に求めたら職員に「私語をするな」と注意された――などの実例を列挙。「差別救済のための裁判所が障害者差別を繰り返すことはあってはならない」として、調査と解決策の回答を求めている。

 脳性まひのため電動車いすを使う大学非常勤講師の男性(39)=滋賀県=は今年6月、裁判を傍聴しようと地裁がある合同庁舎に入ろうとしたところ、車いす備え付けの工具を外すよう求められた。

 健常者には平らにみえる庁舎の…

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朝日新聞デジタル 2018年11月22日14時00分
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