自殺 「パワハラ、過労が原因」教頭遺族が学校法人を提訴
毎日新聞2018年11月22日 22時54分(最終更新 11月22日 22時54分)
https://mainichi.jp/articles/20181123/k00/00m/040/154000c

 大阪府藤井寺市の私立・大阪緑涼(りょくりょう)高の男性教頭(当時53歳)が自殺したのは、長時間労働や上司によるパワーハラスメントが原因だとして、遺族が22日、運営する学校法人「谷岡学園」(東大阪市)に約1億2000万円の損害賠償を求め、大阪地裁に提訴した。亡くなる直前の時間外労働は、月215時間に上っていたという。

 訴状によると、男性は2015年4月に教頭に就任。今年3月ごろから帰宅が未明になるなどし、妻に「過労死しそうだ」と漏らしていた。会議中に号泣するなど精神的にも不安定になり、同月末に命を絶った。
 遺族側は、男性のパソコンの使用記録などから労働時間を算出。亡くなる直前1カ月は1日しか休みがなく、時間外労働は、精神障害による労災認定の基準となる160時間を大幅に超える215時間に達したという。
 さらに、新しく就任予定だった校長や事務局長から高圧的な指導を受けたと主張。極度の長時間労働や限度を超えた指導で、精神障害を発症していたとしている。
 遺族代理人の松丸正弁護士は「常軌を逸した長時間労働そのものがハラスメントに当たる」と述べた。学園は「訴状が届いておらずコメントできない」としている。【戸上文恵、高嶋将之】