まだ夜も明けきらぬ早朝の名古屋市中央卸売市場。

キハダマグロやメバチマグロ、それに天然のズワイガニやタイなどが次々と取引されていきます。そんな”名古屋の台所”で22日開かれたのが、恒例の「年末大市」です。

速水里彩アナウンサー:「威勢のいい声が聞こえてきました。競りが行われています、みなさん金額を書いた札を次々とあげていきます」

年末大市は、新年の食卓を彩る塩サケとカズノコの初競り。

気になる今年の価格は…?

仲買人:「今年は例年よりちょっと高い」

別の仲買人:「若干高いかな…」

Q獲れる量は?

「少ない、少ない、特にサケは」

今年の塩サケは、秋に獲れた秋サケが1キロあたり550円から1000円、春から夏にかけて獲られた北洋サケは1300から2300円。秋サケは去年並、北洋サケは去年と比べて数百円値上がりしました。

今年の年末大市に入荷した塩サケは、合わせて16.6トン。これは、去年と比べると2割少なく、一昨年と比べると半分ほどしかありません。不漁で、サケの獲れ高が大幅に落ちたことが原因だそうです。

名古屋鮮魚卸協同組合・西川賢治さん:「(海の)暖流の異常で、かなり左右した。台風もかなり多かったので漁もなかなか順調にいかなかった」

また、おせちに欠かせない塩カズノコは4.2トンが競りにかけられましたが、ここ数年、落ち込んだ入荷量が回復しないため、高止まりしていた価格がさらに上がりました。

Q一般の価格もあがる?

仲買人:「若干の値上げ、なんとかお値打ちに出せるように頑張っていますから、名古屋市場の流通で頑張って皆さんの食卓にあがるよう頑張ります」

こうした品薄で価格が上がる傾向にあるのは、塩サケや塩カズノコだけではないそうです。

名古屋鮮魚卸協同組合・西川さん:「近海魚、大衆魚に関しましてもも同じようなことが言えると思います。年末年始にやはり数量的には増えてくると思うんですけど、例年に比べて少ないのは否めませんね」

22日の年末大市は、名古屋市内の小学生たちが見学していました。実際の競りと同じように、木札に価格を書き入れて競りを体験したり、数の子ごはんや松前漬け、サーモンのフライが入ったお弁当を味わいました。

子どもたちが大人になるまで、そしてこの先も、サケやカズノコを食べられる環境を守ることができるのか…そんなことも考えさせられる年末大市でした。

※リンク先に動画があります
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181122-00005872-tokaiv-l23