・トイレットペーパーやゴミまで…食べ続ける難病と闘ってきた少年、11歳でこの世を去る(南ア)

昨年7月、満腹感がなく常に食べずにはいられない難病「プラダー・ウィリー症候群http://www.nanbyou.or.jp/entry/4768 ;」を患う南アフリカ在住の10歳少年のニュースをお伝えしたが、このほどその少年が11歳の若さで旅立ったという悲しいニュースが『The Sun』『Metro』などで報じられた。

南アフリカのムプマランガ州スタンダートンに暮らすケイデン・ベンジャミン君は珍しい遺伝子疾患「プラダー・ウィリー症候群」を抱えており、常に空腹感と闘っていた。

ケイデン君は食事をした後でも満腹感を得られず、食欲が途切れることがなかった。ケイデン君の介護のために仕事をやめて付き添っていた母親のゾーラさんは昨年7月、空腹に耐えられないケイデン君がトイレットペーパーや床に落ちているゴミまでも口にしたことがあると英メディアに話していた。

プラダー・ウィリー症候群は15,000人に1人の発症率と言われており、肥満や性腺発達不全、筋緊張低下、発達障害などを引き起こすとされている。病により全身の筋肉の緊張が低下し、少量のカロリーしか燃焼しないことから、食事量を徹底的に管理することが必要と言い、コントロールせずに食べ続けると深刻な呼吸困難を引き起こすだけでなく心臓の肥大や糖尿病にもなり易くなるなど、臓器に深刻な影響を与えてしまうのだ。

ケイデン君は昨年10歳の時、既に体重が90kgにもなっていた。体重が増え続けるケイデン君の健康を心配した医師らが食事制限をするよう指示し、ゾーラさんは台所のあらゆる戸棚や冷蔵庫に鍵をかけるなどして、ケイデン君が家の中の食べ物に触れることがないよう努めてきた。ゾーラさんによると、食事管理をする前のケイデン君は朝からチーズがたっぷりのったトーストを4枚食べ、その1時間後には空腹感を覚えてコーラを飲み前晩の残り物を食べ、ランチの時間になると大きなサイズのチキンを2ピース食べるなど、ほぼ1時間置きに食べ物を口にしていたそうだ。

数年前に気管切開をし気管にチューブを挿入して気道を確保していたケイデン君は、酸素タンクを装着して通学していたが、他の子供たちと思いっきり外で遊ぶことができなかったためにうつ病を患い、辛い日々を送っていたようだ。

ケイデン君のニュースが国際的に報じられてから1年あまり。悲しくもケイデン君は、11月15日にハウテン州プレトリア市のザ・スティーブ・ビーコ・アカデミック病院で11年の生涯を閉じた。

ゾーラさんとFacebookを通して知り合ったギラ・サックスさんは「たったひとりの息子を亡くし、ゾーラさんは深い悲しみに暮れています」とメディアに明かしている。昨年、ケイデン君のことを知ったギラさんは、クラウドファンディングサイト「BackaBuddy」にてキャンペーンを開始し、ケイデン君の治療のための寄付を呼びかけていた。ケイデン君が亡くなった後も、葬儀費用のためにサイトのアカウントはオープンになっているという。

昨年、「毎日が闘いで大変です。とにかく良くなってくれるようにと思わずにはいられません。他の同年代の子供たちと同じ生活が送れる日が来ることを私はただ祈るだけです」と諦めたくない気持ちを吐露していたゾーラさんだったが、その願いが叶えられることはなかった。

このニュースを知った人からは「本当にお気の毒。いつかこの病の治療法が見つかりますように」「母親の気持ちを思うとやりきれない」「楽しい子供時代を過ごすことができずに逝ってしまうなんて…なんて悲劇だ。どうか安らかに」といった追悼の言葉が寄せられている。

・AN EARLY GRAVE Obese lad who constantly devoured toilet paper and dirt due to rare eating condition dies aged just 11
https://www.thesun.co.uk/news/7798447/ating-condition-dead-aged-11-obese-lad-ate-toilet-paper-dirt/

(少年)
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2018.11.24 16:30 テックインサイト
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