Aさん(21歳女性)
愛媛県の縫製会社で週6日、毎日朝8時30分から深夜3時まで18時間半働いて実質賃金は時給180円。
彼女は耐えかねて入国管理局に連絡して査察が決定しましたが、
会社は事前に実習生たちを集めて「何か話したら帰国させる」と脅しました。
査察の際、それでも彼女は自分のメモを見せながら訴え出ましたが、入管には信じてもらえず、会社から激怒されました。
彼女は身の危険を感じて逃げ出し、最終的には労使紛争で正当な報酬を得て帰国。

Bさん(24歳男性)
富山県のコンクリート圧送会社で働いていましたが、毎日のように従業員から首を絞められたり殴られるなど暴力を振るわれました。
「会社を移りたい」と申し出たら帰国を強要され、それを拒否したら宿舎から追い出されました。
福島の建設会社で働いていた20〜30代の男性4人は除染作業に従事させられました。

Dさん(20歳女性)
福島県の食品加工会社で働いていましたが、日本人の従業員から性的虐待をうけ、妊娠・堕胎を強いられました。
彼女は被害を訴え出ることなく帰国しました。

日本で働き続けるために実習先から逃げ出して失踪する子が後を絶たないのです。
実習生の失踪者は年間7000人ですが、そのうち半分の3500人はベトナム人です。
実習生は留学生と違ってアルバイトができないため、失踪後に路頭に迷ったり犯罪に走ってしまうケースが少なくありません。
「実習生は雇用保険を払っているのだから、失業手当がもらえるはずだ」と思いつき、
ハローワーク、労働基準監督署なども回りましたが、どこも協力してくれませんでした。
今年3月に保護していた実習生が除染作業を強いられていたことが大々的に報道されると、
在日ベトナム大使館が動き出しました。
それから改めて関係各所に働きかけた結果、翌4月には倒産以外の理由で初めて実習生の失業手当が認められました
ただ、失業手当は一時しのぎにはなっても借金が減るわけではありません。
そのため、私は彼らの実習先が変更できるように活動しましたが、入管、JITCO、OTITをたらい回しにされてばかりでした