「積水ハウス」が架空の土地取引で地面師グループに約55億円をだまし取られた事件で、主犯格として15人目に逮捕された土井淑雄容疑者(63)の素顔が関係者の証言で明らかになってきた。

 21日に偽造有印私文書行使などの容疑で逮捕された土井容疑者が身柄を確保されたのは、東京・港区の妻と潜伏していたマンションだった。主犯格の一人でフィリピンに出国し、国際手配中のカミンスカス操容疑者(58)同様、土井容疑者には海外逃亡説も流れていたが、捕まったのは国内。最近、愛人だった銀座の元ホステスと結婚していたという。

「積水からだまし取った約55億円のうち、別件で逮捕され公判中の北田文明容疑者と、カミンスカス容疑者が計10億円、土井容疑者は25億円を握っているとされる。土井容疑者は容疑を否認してますが、分け前の額から考えても、土井容疑者が首謀者とみられている」(捜査関係者)

 土井容疑者は単純な地面師詐欺だけでなく、過去には上場企業に入り込み、株を転がし利益を得る詐欺行為を行っていた。業界では“スーパー事件屋”と呼ばれていた。

「大手商社の子会社の役員と吹聴。その土井は早くから今回の事件への関与が疑われていた。実は去年9月、地面師ビジネスを知る人物として“顔出しNG”を条件にテレビの取材に応じ『自分が関与していると噂されているのは知っているが、関係ないことだ』と否定した」(捜査関係者)。取材後、このテレビ局の警視庁記者クラブ所属の記者は他の部署に異動。「土井への情報リーク疑惑が持ち上がったため、飛ばされたと聞いてます」(テレビ関係者)

 土井容疑者の情報網はそれだけではなかった。警視庁の(暴)担当刑事も前出の妻が勤めていた銀座のクラブで接待していたという。「だから強制捜査前に情報を入手。居場所を変えて潜伏していたのでこれまで逮捕されなかった」と事件関係者。警視庁は26日、これまでに逮捕した容疑者15人のうち、男女8人を詐欺容疑などで再逮捕する方針だ。

2018年11月26日 17時00分
東スポWeb
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