>>842
そのあたりは所謂「リフレ派」の悪い面なんだよね。
彼らの考え方が「実質賃金低下が景気を改善させる」に基づいている。
これがどういう意味かわからないと「アベガー」パヨクみたいに見当違いな議論になる。

まず、実質賃金低下を目指す理由だが、
実質賃金を下げると単純に実質金利も下がると考えられる。
これはインフレ率がマイナスで名目金利に非負制約があるためなのだが、
賃金も「金利」の一部なので、こいつを抑えたいと考える。
ところが残念なことに、実質賃金を下げるということは、実質所得まで下がってしまい、
実質GDPを抑制する効果もあるということになる。

つまり、リフレ派の間違いは、実質賃金抑制効果を狙った期待インフレ率上昇政策ということになる。
これが意味する所は、

「財政は緊縮のままの方が良い」

という考え方も成立してしまうことになる。
そのため「消費税増税」を深刻に受け止めないということにも繋がる。
この根拠となっているのが「マンデルフレミング効果」である。
これを論拠にして、財政の拡大を抑止しようとする。
その論点からすると「財政赤字は良くないので解消した方が良い」という筋書きが成立してしまうのである。
そこから先は「アベノミクスがどうなったのか?」というN+でおなじみの議論になる。