まもなく1歳半を迎える上野動物園のパンダの子シャンシャンは、きのう2日から夜は母親と離れて過ごす「夜間別居」のステップに進んだ。動物園には「かわいそうだ」という声も寄せられているというが、突然訪れる母親の行動変化にシャンシャンが直面する事態を避けるために、ひとり立ちを計画的に進める最善の方法だという。

 先月13日からひとり立ちのための準備期間に入ったシャンシャン。当初は午前中のみ母親と離れて暮らすステップ1からスタートしたが、その後は午後も別々に過ごすステップ2に進み、今月2日からは夜間別居のステップ3に挑戦中だ。

 動物園には、ひとり立ち準備を進めているシャンシャンに対して「かわいそうだ」という来園者の声も多いという。しかし、単独生活する野生のジャイアントパンダでは、親子の別れは突然訪れるケースが多く、母親はある日突然、子に対する態度を豹変させて、時には攻撃的な態度を繰り返して自分の縄張りから追い出すようにして子のひとり立ちを促すという。

 ところが飼育環境が限られた動物園では、自然なひとり立ちを迎えさせようとすると、攻撃的になった母親が子に致命的なケガを負わせる可能性もあることから、上野動物園ではシャンシャンが1歳半を迎える時期に合わせて安全にひとり立ちを終えることができるよう段階別に準備を進めているのだという。

 実際、シャンシャンもひとり立ちステップを始める前から、母親のシンシンとじゃれあう時間は1日1時間程度にとどまっており、遊ぶ時間が減るかわりにタケや笹を食べる時間が増えて、成獣に近い行動形態を取るようになっているという。

 上野動物園では「突然訪れる母親の変化にシャンシャンが直面する事態を避けるため、今は重要な時期なんです」と話している。がんばれ、シャンシャン。

「大丈夫。寂しくない」とシャンシャン(上野動物園
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シャンシャンがお母さんのそばにいる時間は1日1時間程度に減ってきている(上野動物園)
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2018年12月03日 11時58分
ハザードラボ
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