米中央情報局(CIA)のハスペル長官は4日、米国在住だったサウジアラビア人記者カショギ氏の殺害事件について、上院指導部の議員らに非公開で説明した。終了後、議員らはサウジのムハンマド皇太子が関与していたことに「疑いはない」などと語り、トランプ政権に武器禁輸などの強い対応を求めた。

一方、トルコの裁判所は5日、サウジのサウド・カハタニ元王室顧問とアハメド・アシリ元情報機関高官の逮捕状を出した。アナトリア通信などが伝えた。2人はムハンマド皇太子の側近。

CIAは皇太子が殺害を命じたと結論付けたと伝えられているが、トランプ政権は「決定的な証拠はない」(マティス国防長官)として、軍事面を含む協力を進める構えを変えていない。

トランプ大統領に近い共和党の重鎮グラム議員はハスペル長官の説明後、記者団に事件が皇太子の関与なしに起きた可能性は「ゼロだ」と明言。関与した全員の責任が問われるまで武器輸出を止めるべきだと主張した。

上院は11月28日、ポンペオ国務長官らからも非公開で説明を受けたが、サウジへの疑念は解消されず、イエメン内戦でサウジへの軍事支援中止をトランプ政権に求める決議案の審議入りを決めている。

皇太子の側近2人の逮捕状はトルコ検察が請求した。サウジは10月にカショギ氏の死亡を初めて認めた際に2人の解任も発表したが、皇太子の関与は強く否定している。(共同)

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