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小澤征爾さん 1年2か月ぶりにオーケストラを指揮
2018年12月6日 1時41分エンタメ

病気やけがの療養を続けてきた世界的指揮者の小澤征爾さんが5日夜、およそ1年2か月ぶりにオーケストラを指揮し、全身で力強い音色を引き出すなど順調な回復ぶりをアピールしました。

小澤征爾さんは、5日夜、天皇皇后両陛下も出席されて東京・港区のサントリーホールで開かれたコンサートで、最後の楽曲に登場しました。

小澤さんが結成に携わった「サイトウ・キネン・オーケストラ」と、長年、小澤さんとレコーディングやコンサートで共演してきたドイツの世界的なバイオリニスト、アンネ=ゾフィー・ムターさんが出演し、小澤さんはサン=サーンスの「序奏とロンド・カプリチオーソ」という曲をおよそ10分間、指揮しました。

小澤さんは、ことし3月、心臓の弁がうまく機能しない大動脈弁狭さく症の手術を受けたほか、8月には背骨の一部を圧迫骨折して腰を痛め、予定されていた公演を降板して療養に専念していました。

小澤さんがオーケストラを指揮するのは、去年10月以来、1年2か月ぶりで、所属事務所によりますと、経過は順調で日常生活を問題なく送れるまで回復したということです。

小澤さんは、穏やかな曲調の序盤は用意されたいすに腰をかけて優しい手つきで指揮を執っていましたが、激しく展開する場面では立ち上がって全身を震わせながら力強い音色を引き出していました。また、終演後は鳴り止まない拍手に応えようと軽やかな足取りで何度もファンの前に現れ、順調な回復ぶりをアピールしていました。

小澤征爾さんの指揮を初めて見たという愛知県の20代の女性は「ずっと楽しみにしていて、ことばにならないほど感動しました。何度も拍手に応えてステージから出てきてくれておちゃめな方なんだなと思いました」と話していました。

また、これまでに小澤さんの公演を何度も見ているという横浜市の男性は「きょうの小澤さんは神がかっていました。お元気そうな姿を見られて安心しています。演奏が終わったあとのあの盛大な拍手は、これまでの小澤さんの人生そのものに向けて贈られていると感じました」と話していました。

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