化石燃料の使用などによる大気汚染で毎年、世界で700万人の命が奪われているとする報告書をWHO=世界保健機関がまとめ、多くの命を救うためにも化石燃料の使用を減らすなどの地球温暖化対策に取り組むよう各国に呼びかけました。

この報告書は、ポーランドで開かれている地球温暖化対策の国連の会議「COP24」に合わせて5日、WHOが発表しました。

報告書では、化石燃料の使用などによる大気汚染によって、ぜんそくや肺がん、脳卒中などが引き起こされ、世界で毎年700万人が命を落としているほか、治療のために570兆円余りが医療費に使われていると推定しています。そして温暖化対策のために化石燃料の使用を減らせば、結果として大気汚染が改善し、多くの命が救われると指摘します。報告書でWHOは、化石燃料の使用の削減を求めるとともに、温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」の中に、大気汚染を引き起こす原因物質の削減も各国の取り組みに盛り込むことなどを提言しています。

WHOのマリア・ネイラ公衆衛生・環境局長は、COP24の会場で記者会見し、「温暖化対策は健康対策でもある。対策が遅れれば遅れるほどより多くの命が失われる」と訴え、各国が協調して温暖化対策に取り組むよう呼びかけました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181206/k10011736511000.html?utm_int=news-international_contents_list-items_002