【増毛】JR留萌線留萌―増毛間の廃線から5日で2年。鉄路は失ったが、増毛を訪れる観光客は依然好調だ。今年は旧増毛駅を「まちづくりの核」としてリニューアルオープンしたことが奏功し、駅を拠点に町の歴史を学ぶ大手旅行会社のツアーが急増。町観光ボランティアガイドの利用者数は過去最高だった昨年の2・4倍超となっている。

「(観光客は)鉄道があった時より、今の方が来ているよ。車も駅にいっぱい止まっている」。JR旧増毛駅近くに住む小柳スエ子さん(77)は廃線後もとぎれない観光客に驚く。

 町によると、本年度上半期(4〜9月)の観光客数は24万8900人。大雨など自然災害に見舞われたが、廃線を機に知名度が高まった前年同期の24万9900人と横ばいを維持する。厳島神社の本殿などが道指定有形文化財に指定されたことも追い風になり、鉄道ファンによる「廃線特需」に沸いた16年度同期の26万400人には及ばないが、廃線が報道される前の14年度同期より3万2400人多い。

 町は今春、旧増毛駅舎を100年近く前の開業時と同じ広さに復元した。鉄道関連の写真展ギャラリーを設けたほか、駐車スペースを整備し、50台以上の車が止められるように。新駅舎は増毛の観光拠点となった。駅舎内で売店を開いている町内の水産加工業「孝子屋(ここや)ぐるめ食品」の伊達広記さん(55)は「(駅復元効果は)かなりある。売り上げは廃線前より2割ほど増えた」。

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