顔認証で支払い セブン-イレブンが無人レジの実証実験
2018年12月17日 14時13分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181217/k10011749871000.html

コンビニ大手のセブン-イレブンは、利用客がカメラに顔をかざすだけで支払いができる無人レジの実証実験を始めました。従業員がレジを打つ必要がなく、コンビニの人手不足対策としても期待されています。
無人レジは、セブン-イレブン・ジャパンがNECと共同で開発し、東京・港区のNECのオフィスが入るビルで実証実験を始めました。店舗の入り口には顔認証の機能がついたカメラがあり、あらかじめ顔を登録した人が近づくとドアが開きます。

店内には、通常のレジカウンターの代わりにカメラがついた専用端末が置かれ、利用客は購入する商品のバーコードを自分で読み取ります。そして、財布やスマートフォンを出さなくても、顔をかざすだけで支払いが済むということです。

今回の実験では、NECの社員に利用が限定され、代金は給料から天引きされる仕組みです。

従業員がレジを打つ必要がないため、一般的な店と比べて半分以下の人数で運営できるということで、オフィスビルや工場の中などの小型店舗に応用を検討していく考えです。

セブン-イレブン・ジャパンの古屋一樹社長は「従業員の負担を減らしながら、いかに来店客にもストレスなく利用してもらうかしっかり検証し、ほかの店でも応用したい」と話していました。

相次ぐ無人化 深刻な人手不足が背景に
コンビニが無人レジに取り組む背景には、深刻な人手不足があります。コンビニやスーパーの販売員などの有効求人倍率は、ことし10月時点で2.58倍と、全体の平均を大きく上回っています。

従業員の時給も上がっていて、リクルートジョブズによりますと、首都圏・関西・東海の三大都市圏のコンビニスタッフの平均時給は、先月、978円と去年の同じ月を25円上回って3か月連続で過去最高を更新しています。

こうした状況を受けて、コンビニやスーパーでは、あの手この手で対策が取られています。

このうち、ローソンは、ことし4月から一部の店舗でスマートフォンを使った無人レジの仕組みを導入しました。利用客が専用のアプリを使って商品のバーコードを読み取ると、あらかじめ登録したクレジットカードなどで支払いができる仕組みで、今年度中に東京や大阪など都市部の100店舗に導入を広げる予定です。

また、JR東日本は、都内の駅のホームに無人の売店を設置する実験をことし10月から始めました。店内の天井や陳列棚にAI=人工知能とつながったカメラがおよそ80台設置され、利用客がどの商品を手に取ったか瞬時に把握する仕組みです。

このほか、福岡県を中心にスーパーなどを展開するトライアルカンパニーは、深夜から早朝にかけて店員を置かない無人店舗を今月オープンさせていて、最新の技術によって人手不足を補おうという動きが広がっています。