アフリカの穀物に深刻な被害をもたらしている寄生植物「ストライガ」を効率的に駆除できる薬剤を開発したと、名古屋大などの研究グループが発表した。論文が14日付の米科学誌サイエンスに掲載される。

 ストライガは、トウモロコシなどの穀物の根に寄生して栄養分や水分を吸収し、穀物を枯らしてしまう。アフリカの耕作地に広く分布し、被害額は年間1兆円以上との試算もあり、「魔女の雑草」と呼ばれている。

 土壌中のストライガの種子は、穀物の根からある物質が放出されると発芽し、穀物に寄生する。寄生できないと4日以内に枯れる。

 土屋雄一朗・名大特任准教授らは、この物質と似た性質がある化合物を含む薬剤を新たに開発。穀物を植える前に薬剤をまくことで、ストライガを枯らすことに成功した。化合物の合成は簡単で、1ヘクタールの駆除に必要な原料の費用は40円程度で済むという。

https://news.nifty.com/article/technology/techall/12213-20181214-50013/