ロンドン警視庁は、今週2日間にわたり、市内の数カ所で顔認識テクノロジーの試験運用を実施中だ。

公開試験は今回で7回目となり、年末までにあと3回実施される予定だ。ロンドン警視庁は次の試験の詳細についてまだ明らかにしていないが、サッカーの試合や音楽祭、交通結節点(ターミナル駅やハブ空港など)での実施を検討中だという。

ロンドン警視庁は「監視対象者リスト」のデータベースから、指名手配中の犯罪者を特定するために顔認識テクノロジーを利用していると説明している。さらに、リストと一致したとシステムが判断した顔の画像のみ30日間保存し、その他のすべてのデータは消去するという。「ネオフェイス(NeoFace )」というこのテクノロジーは、日本の多国籍IT企業である日本電気(NEC)が開発したものだ。

すでにこのテクノロジーは密かに米国で普及しつつあるものの、英国では比較的まだ新しく、とりわけ特定の地区では歓迎されていない。プライバシー監視団体のビッグ・ブラザー・ウォッチ(Big Brother Watch)は、法的な裏付けや国民の十分な理解がないまま、警察が顔認識テクノロジーを利用していることに警告を発し、警察を相手取って訴訟を起こしている。

顔認識テクノロジーがきちんと機能しているかどうかはまだはっきりと分かっていない。ロンドン警視庁が以前実施した試験運用では、検出した顔の98%が誤検知だったことが判明している。特に、白人や男性以外に対する精度はあまり高くない傾向にある。

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