6年前、愛媛県西条市の川で、幼稚園の行事で水遊びをしていて亡くなった当時5歳の男の子の両親らが園側に賠償を求めた裁判で、松山地方裁判所西条支部は、賠償額としておよそ6300万円を認定し、保険などを差し引いた109万円余りの支払いを命じました。

平成24年7月、西条市の加茂川で、幼稚園の行事で水遊びをしていた園児らが雨で増水した川に流され、5歳だった吉川慎之介くんが亡くなりました。

慎之介くんの両親やほかの園児の親らは、園側が救命胴衣を用意していないなど安全管理を怠っていたとして、幼稚園を運営する学校法人などに対し、1億5000万円余りの賠償を求める訴えを起こしました。

19日の判決で松山地方裁判所西条支部の田中一隆裁判長は「救命胴衣を着用させていないなど安全対策に不備はあったが、増水を予見する注意義務まで違反があったとは認められない」などとして、およそ6300万円の賠償額を認定しました。

両親らには、園側が加入していた保険などからすでに6000万円余りが賠償されていて、判決では学校法人と元園長に対し、残る109万円余りの支払いを命じました。

判決後、会見した母親の吉川優子さんは、「こうした事故を2度と繰り返させない思いで、裁判を戦ってきました。これで終わりではなく、今後も子どもの安全を守るための活動を続けていきたい」と話しました。

この事故をめぐってはおととし5月、松山地方裁判所が元園長に対し、罰金50万円の有罪判決を出しています。

12月19日 17時40分
愛媛 NEWS WEB
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