人工香料による健康被害を訴える人が急増しています。その原因物質は、年々種類と使用量が増え続ける合成ムスク類です。

 合成ムスク類とは、麝香(じゃこう)に似た香りを持つ人工香料の総称で、柔軟剤や芳香剤、ローション、脱臭剤、香水、化粧品などの身体手入れ用品や洗剤のような家庭用品でも広く使われています。

 麝香は古くから高級香料として利用されていましたが、20世紀初期に代替物の合成ムスク類が開発され多くの製品に使われるようになりました。
しかし、合成ムスク類のニトロムスクという物質には強い毒性があることが分かり、ニトロムスクに代わって、HHCB、AHTNなど「多環ムスク」と呼ばれる合成化学物質が開発され、現在に至っています。

 ところが今、このHHCB、AHTNの毒性が確認され大きな問題になっています。2005〜07年に行われた熊本大学・佐賀大学の共同研究では、日本人の母乳や脂肪組織に合成ムスク類の「HHCB」と「AHTN」が蓄積していることが明らかになっています。
生活排水などから水、大気中にも合成香料が排出され蓄積し、新たな環境汚染物質として問題となっています。

 世界市場で流通している合成香料は約500種類、そのうち日本では約320種類を製造しているので、真剣に考えないといけない問題です。

 しかし、大手メディアは合成ムスク類で健康被害が続出していることを大きく取り上げません。
P&G、花王、ライオンといった大スポンサーの顔色を窺ってのことなのは明らかです。
各メディアはなぜ、合成ムスク類による健康被害、いわゆる「香害」が起こるのかを報道する責任があると思います。


近隣の柔軟剤で体調不良になる人もいる

 相談窓口への訴えに共通するのは頭痛、吐き気、めまい、味覚障害などが持続して生活が困難になっているというもの。
「隣人の洗濯で使用する柔軟剤で苦しんでいる。管理人を通して使用をやめてもらえるよう頼んだが埒が明かない」、
「他人の柔軟剤の香りで息ができなくなり、吐き気もある。耳鼻科にいっても治療ができないといわれ、精神科に行きなさいといわれた」など、香害は個人の好みの問題とされる傾向が強いようです。

12歳以下の子どもの健康被害を真剣に考えるべき

 さらに報告で深刻なのは、小中学校、幼稚園でも「香害」が発生していることです。今、子どもでも男女を問わず、制汗剤を使うのは当たり前だといいます。制汗剤は合成ムスク類で強い香りを出したものがほとんどです。
そのため、「教室中に匂いが広がって倒れそうになる」という声が、生徒だけでなく、学校職員からも「香害110番」に相談寄せられています。

 12歳以下の子どもは化学物質に対して感受性が高く、簡単にアレルギー反応を引き起こしてしまいます。
合成ムスク類などの香り物質は目には見えませんが、揮発しやすい小さな分子です。
空気中をただよい、鼻の奥にある嗅覚細胞に付着し、私たちはにおいを感じることができます。
そして、その分子は呼吸によって体内に取り込まれ、また皮膚からも体内に吸収され、子供たちのぜんそくやアトピー、各種アレルギーなどに大きく関与しているのです。

 また、子どもの時から、合成ムスク類に曝されていけば蓄積量も多くなり、将来、健康被害を受ける可能性も否めません。

抜粋
以後ソース
https://wezz-y.com/archives/61964