大掃除の時期。

 学校を卒業後、捨てられずに自宅に眠っている子どもの制服を買い取り、必要な人に販売する専門のリユース店が増えている。PTAを後押しする試みも出てきた。

 横浜市旭区にある「Pass(パス)」の店内には、2段式のハンガーラックにびっしりと制服が並ぶ。区内の中学校や高校をはじめ、近隣幼稚園のものや、体育で使う柔道着、通学かばんなど1千点ほどある。卒業生から買い取った「お下がり」で、新品価格の3分の1程度で販売する。

 店長で団体職員の日暮(ひぐらし)晴美さん(57)は「おふるに見えないよう心がけています」と話す。買い取り後、クリーニングしてボタンを補修し、名前の刺繡(ししゅう)をほどくなど丁寧に修繕する。

 開店のきっかけは、高校を卒業した娘の制服のもらい手がいなかったことだ。誰かに譲りたいが、生徒以外でも購入できるネットでのやりとりは抵抗がある。一方で出費を抑えたい保護者もいるはずだと、対面で売買する店舗を昨夏オープンした。

 娘の中学の制服などを持ち込んだ主婦(50)は「捨てるにはしのびなかった。必要な人の役に立てば」と話す。秋ごろから翌年3月末に向けて購入者が増える。転校先で譲ってくれる知人がいなかったり、身長が伸びてサイズが合わなくなったりして来店する客もいるという。

 こうした店は各地に増えているようだ。日暮さんによると、情報交換している個人経営の約10店の大半は、この3年以内に開店したという。その一つで2年前に開店した北九州市の「ecoco(エココ)」は今秋、市内に2カ所目の店舗を出した。代表の田中博美さん(49)は「こうしたお店が全国で幅広く利用され、制服リユースが当たり前になってほしい」と話す。

 全国600の公立中学校を対象にした制服に関する国の調査によると、制服一式のほか、上履きやジャージーなども含めた費用は、平均で約6万円。保護者の負担は大きいが、制服のリユースに取り組む学校やPTAは半数程度だった。

 東京都立高校のPTA74校が加入する「東京都公立高等学校PTA連合会」は昨夏、PTAが制服のリユースを始める際の参考になる「活動ガイド」を作った。すでに取り組んでいる5校の事例を参考にした。

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