米政府機関の一部閉鎖続く 議会26日まで休会
2018/12/23 7:01
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39318240T21C18A2000000/

【ワシントン=鳳山太成、ニューヨーク=中山修志】米連邦予算の一部が失効した22日、ホワイトハウスと与野党は協議した。トランプ大統領が求める「国境の壁」の建設費用を巡って妥協策を見いだせず、議会上院は26日まで休会する方針を決めた。与野党は引き続き水面下で協議を続けるが、政府機関の一部閉鎖は少なくとも同日まで続く公算が大きい。

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22日、閉鎖の表示を掲げる政府機関=ロイター
上院は22日午後に審議を再開したが予算成立の見込みが乏しいため、クリスマス後の27日午後に審議を再開することを決めた。下院も与野党が予算案で合意するまで審議しない方針を決めた。
米政府高官は22日、電話会見を開き「国境警備に50億ドル(約5600億円)を計上する予算を通すのが大統領の公約だ」と述べ、現時点では譲歩しない姿勢を表した。民主は壁建設に反対しており、歩み寄りの機運は今のところ乏しい。
南部フロリダ州の別荘に行かずにホワイトハウスにとどまったトランプ氏は22日「どうしても必要な国境警備について民主党と交渉しているが、長い滞在になる可能性がある」とツイッターに書き込んだ。
22日の国民生活に大きな混乱は生じていないが、東部ペンシルベニア州のアイゼンハワー国立史跡など一部の施設が閉鎖された。多くの国立公園は開園したが、ガイド付きのツアーやイベントはほとんどが中止となった。
首都ワシントンの観光名所であるスミソニアン博物館と国立動物園は22日、19年1月1日までは通常営業すると発表した。その後の営業は改めて判断する。ハワイ州のハワイ火山国立公園は「園内は利用できるが、緊急救助サービスなどは制限される」と告知している。

今年1月の予算失効時には閉鎖したニューヨークの「自由の女神」は営業を続ける。ニューヨーク州のクオモ知事が特別予算を割り当てた。クリスマスシーズンで国内外からやってくる観光客に配慮したとみられる。
航空便の運航や治安などに関わる職員も勤務を続ける。米政府高官は「国民政策への影響は最小限にする」と強調した。