※夜の政治

 私が代表を務める衆院会派「無所属の会」(13人)は、立憲民主党と会派を同じくするという方向性を確認しました。しかし、最終的には議員一人一人の判断です。現時点で6人が立憲民主党会派入りの意向を固めています。私は会派の代表ですから最後に態度表明をしたいと思います。

■国民民主の人材必要

 無所属の会は、分裂した立憲民主党と国民民主党の結節点になろうと努力してきましたが、事態はなかなか動かなかった。参院選も迫る中、膠着(こうちゃく)状態を動かすために大きな決断をしました。両党が歩み寄れない状況を私は非常に残念に思いますが、これを動かしていくためには、やはり野党第一党である立憲民主党と会派を同じくすべきだと考えました。

 立憲民主党は、旧希望の党による「排除」を経て結成され、昨年の衆院選で野党第一党になった。だから、有権者の期待を裏切ることができないという強い思いがあるのだと思いますね。

 一方の国民民主党にも優秀な人材がたくさんいます。その多くは、私が旧民主党の幹事長や代表を務めた平成15〜17年ぐらいに初当選してきた人たちです。彼ら抜きで再び政権を担える政党は作れない。彼らの力を何とか生かしたいという思いは非常に強いです。

 われわれが立憲民主党と会派を同じくする以上、法案への賛否が分かれることは望ましくありません。原発や消費税の問題をどう考えるのか、無所属の会の中で議論をしました。

 例えば、立憲民主党は米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設の見直しを主張しています。私は旧民主党の鳩山由紀夫政権の外相として辺野古移設を決断しました。他に選択肢がなかったので当時の判断は間違っていないと思っています。

 ただし、われわれは沖縄振興のために「一括交付金制度」を創設するなど地元の理解を得て政策を進めました。今の安倍晋三政権は強硬に物事を進め、基地問題がこじれにこじれてしまった。移設工事の一環として埋め立て海域へ土砂の投入を始めたことは、政府と県の間に大きな禍根を残すことになると思います。

 このまま辺野古移設を進めることには私は反対です。立憲民主党が主張しているように、今の沖縄の状況を踏まえて米国と再協議すべきだと思います。

■参院選1人区21勝を

 来年夏の参院選は野党にとって大きなチャンスです。全国に32ある1人区のうち21以上で勝ちたい。私が旧民進党代表だった2年前の参院選では11勝でしたが、今は安倍政権に対する国民の不信感がより強まっているので、野党が結束できれば不可能な数字ではありません。参院選で結果が出れば、バラバラになった野党がまとまるベクトルが出てくるはずです。

 旧民主党政権は失敗もありました。やはり政権を担うことには責任が伴う。政策に優先順位をつけて、国民や野党の理解も得ながら、覚悟を持って進めていくことが大事だったと思います。

 ただし、政権交代したからこそ実現できたこともたくさんあります。再び政権を担うことができれば前回よりしっかりとした運営ができる。東日本大震災という未曽有(みぞう)の災害を経験し、それを乗り越えてきた政治家が多いわけですから。立憲民主党の枝野幸男代表はその象徴ですね。官房長官として大変な苦労をしましたが、その経験が彼を大きく成長させたと思います。

 私の政治家としてのゴールですか? それは「政権交代可能な政治の実現」です。さまざまな準備を進め、近い将来政権交代を果たし、「枝野首相」を誕生させたいと思っています。(広池慶一)

12/24(月) 1:05
産経新聞
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