取引量や取引高などで県内最大の魚市場「県水産物地方卸売市場」(さいたま市北区、通称・大宮市場)に、築地から移転した豊洲市場(東京都江東区)からの新規業者らが足を運び始めている。

 築地ブランドには及ばないものの、関東有数の規模を誇り、国内外の水産物が豊富にそろう。国道17号と産業道路に挟まれた立地の良さと、地方市場ならではの柔軟性も業者に好評。海なし県の魚市場として存在感を強めている。

■戸惑い

 午前3時ごろから取引が始まり、場内をターレ(運搬車)が行き交う。5時40分にはマグロのセリを知らせる鐘の音。メバチマグロなど約150本を仲卸業者が次々と競り落とした。

 市場を開設・運営する埼玉県魚市場(さいたま市北区)の鈴木清社長(60)は「築地で仕入れていた業者が、豊洲移転を機に顔を見せ始めている」と話し、水産物の集荷を通常より増強している。

 11月に豊洲市場が開場。最新設備を完備した都の中央卸売市場だが、周辺の交通渋滞や、旧築地市場の2倍近い敷地内での移動の煩雑さなど、利用者からは戸惑いの声も上がっていた。

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