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赤枝・元衆院議員が東京医科大に合格依頼 「誰も合格せず、謝礼ない」
毎日新聞 2018年12月31日 19時52分(最終更新 12月31日 20時07分)

 東京医科大(東京都)の不正入試問題を巡り、同大の卒業生で自民党元衆議院議員の赤枝恒雄氏(74)が31日、取材に応じ、卒業生の子供を合格させるよう臼井正彦前理事長(贈賄罪で在宅起訴)に依頼していたことを明らかにした。赤枝氏は「誰も合格しなかった。謝礼を受け取ったこともない」と述べた。

 29日に公表された同大の第三者委員会の最終調査報告書は、2013年の看護学科の一般入試で、前理事長が当時の国会議員から依頼を受け、担当者に指示して特定の受験生を補欠合格させたと指摘した。文部科学省関係者によると、赤枝氏の可能性が高いが、赤枝氏は「看護学科の入試には興味がない」と関与を否定し、「第三者委や東京地検、文科省から事情も聴かれていない」と強調した。

 赤枝氏によると、約10年前から大学の募金の責任者を務めており、子供が受験を希望する卒業生に寄付を求める代わりに、前理事長に受験生の名前を書いた紙を渡したり、電話やファクスで頼んだりした。年に数人程度について働きかけたという。
 赤枝氏は卒業生の子供を優先した理由について「私立大の運営は寄付金で成り立っており、裁量の範囲内だ」と主張し、「1次試験を通る能力があれば、卒業生の子供のほうがいい。寄付金を払えない受験生のために国立大がある」と話した。

 赤枝氏は1968年に同大を卒業。77年、東京都内に産婦人科の診療所を開設した。12年の衆院選で自民党の比例東京ブロックから出馬して初当選。14年に再選したが、17年は立候補しなかった。【水戸健一】