あれはわたしが仕事を終えて帰宅するころでした。

海は荒れ土砂降りの雨風のなか、わが誇らしい海軍の乗組員たちが火の玉となって
哀れな遭難者を救助していたのです。
わたしは自宅前から一部始終をみており、胸があつくなり、わが民族の素晴らしさを体現するわが海軍に涙しました。

そのときです。上空から突然急降下してきた憎っくき飛行機があったのです。
飛行機は波でずぶ濡れのわが兵士たちを邪魔するかのように
まるで体当たりせんがばかりの急接近をしました。
いきなりの緊急事態に怒号が飛び交っていました。
ですがそのような生命の危機を前にしても偉大なるわが海軍乗組員たちは勇敢にも人道的救助活動を続けたのです。

ああ、韓国人に生まれてよかった。父よ母よそして祖国よありがとう。
感動に全身が打ち震えました。気がつけばわたしは自宅の前でずぶ濡れになっていましたが、がんばれがんばれ憎っくき日帝に負けるな!大声で声援を送っていました。
何事かとご近所の皆も外に出てきて、あっ戦犯旗だ!戦犯旗をつけた飛行機が救助の邪魔をしているぞ。と口々に叫びました。

まるで魚雷発射するがごとき低空飛行で何度も威嚇している。なんて卑怯な。

(つづく)