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https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20190105/0023484.html

10年前、埼玉県熊谷市で当時、小学4年生の男の子が車にひき逃げされて死亡した未解決事件で、警察が遺族から預かった男の子の腕時計を紛失したことが捜査関係者などへの取材で分かりました。
警察は遺族に謝罪したうえで紛失したいきさつなどを調べています。

平成21年9月、埼玉県熊谷市の市道で、書道教室から自転車で帰宅途中だった小学4年生の小関孝徳くん(当時10)が車にはねられて死亡し、警察は現場の状況などからひき逃げ事件として捜査しています。
この事件で警察が遺族から預かった、小関くんが当時身につけていた腕時計を紛失したことが捜査関係者などへの取材で分かりました。
警察が去年10月、遺族からの問い合わせを受けて保管していた遺品を確認したところ、腕時計が無くなっていることに気づいたということで、遺族に謝罪したうえで紛失したいきさつなどを調べています。
この事件は目撃証言が無く物証も乏しいため捜査が難航していて、ひき逃げの罪はすでに時効を迎え、自動車運転過失致死の罪の時効もことし9月に迫っています。
埼玉県警交通捜査課の小久保和浩次席は「ご遺族に大変ご迷惑をおかけしました。今後このようなことがないよう指導するとともに原因などがわかり次第、適正に対処します」と話しています。

警察が紛失した腕時計は母親が小関くんの10歳の誕生日にプレゼントした大切な遺品でした。
小関くんは誕生日から5か月後の平成21年9月、埼玉県熊谷市の市道で書道教室から自転車で帰宅途中に車にはねられて死亡しました。
小関くんは母親からもらった腕時計を身につけていて、警察が身元確認のために腕時計を預かり、自転車や服などとともに保管していたということです。
事件の時効が迫る中、母親が、去年10月、警察に預けた遺品について問い合わせをしたところ、腕時計が無くなっていることが分かったということです。
母親は「大切な遺品がきちんと保管されていなかったことを知り、事件が発生した当初から適正に捜査が行われていたのか疑問を持ちました。ことしで時効を迎えるので警察にはなんとしても事件を解決してもらいたいです」と話しています。