2019年1月5日 17時1分
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乳児が脳死状態となった昭和大藤が丘病院

 口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)治療のパイオニアとされる昭和大学の付属病院で、口唇口蓋裂治療の手術を受けるため入院中だった当時5カ月の乳児が、担当医にうつぶせの状態で放置され、脳死状態に陥っていたことが分かった。大学側は夕刊フジの取材に事実関係を認めた。

 関係者によると、問題が発生したのは、横浜市青葉区の昭和大学藤が丘病院。2018年5月30日、当時生後5カ月の乳児が、翌日に口唇口蓋裂治療の手術を控え、診察を受けていた。乳児の診察を担当した医師は、乳児を両手で持ち上げて診察し、うつぶせに寝かせた状態で放置したという。その後、巡回中の看護師が全身蒼白(そうはく)の乳児を発見。呼吸停止、心肺停止状態となっていた。

 救命措置を行ったところ、乳児の心臓は再び動き出したが、自発呼吸は確認されず、都内の病院に搬送。同年7月には品川区の昭和大学病院の集中治療室(ICU)に転送された。関係者によると、乳児は同年8月の時点では脳死状態が続いていたという。

 口唇口蓋裂とは、上あごや唇などの一部が生まれながらにして割れている症状で、国内では約500人に1人の頻度で発症するとされている。症状の個人差は大きく、永久歯の生え方や話し方に支障が出る場合もある。

 昭和大のホームページによると、昭和大は1980年に日本初の口唇口蓋裂医療チームを設置。2017年には昭和大藤が丘病院内に「口唇裂口蓋裂センター」を設置するなど、口唇口蓋裂治療のパイオニアとして治療・研究を続けてきた。

 乳児をうつぶせの状態で放置することは「寝返りが十分にできなければ、窒息の危険性があることは、この時期の乳児に携わる医療人としては認識しておくべき基本的なことだ」と病院関係者は指摘する。

 昭和大は夕刊フジの取材に「問い合わせの内容に一致するとみられる事例はあるが、患者の個人情報に関わるので詳細は答えられない」と回答した。