https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-01-03/PKRNYB6S972A01?srnd=cojp-v2

ウィーン氏の19年びっくり予想:米国株15%上昇、米利上げ見送り

Lu Wang、Vonnie Quinn、Guy Johnson
2019年1月4日 4:14 JST
更新日時 2019年1月4日 14:32 JST
→米10年債利回りは3.5%未満で推移も、依然として順イールド維持へ
→中国株は新興国市場の上昇を主導、上海総合指数は25%高へ

米国株は2019年に上昇し、この10年間で最大の下げとなった昨年の相場から持ち直す。景気は拡大を続け、米金融当局は利上げを見送る。ブラックストーンのバイロン・ウィーン氏が毎年恒例の「びっくり予想」を明らかにした。

  ブラックストーンのプライベートウェルス・ソリューションズ・グループ副会長を務めるウィーン氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、S&P500種株価指数が今年15%上昇すると予想。リセッション(景気後退)は21年より前には起きないとの見方を示した。同氏は1年前に示した18年予想の中で、S&P500種がいったん2300に下げ、年末には3000を上回っていると述べていた。同指数は実際には年間で6%安の2500近辺で終了。18年の最安値は約2350だった。


  ウィーン氏(85)は「現在の良好な経済と好ましい株式市場は、まだ数年続く」と述べた。モルガン・スタンレーのストラテジストを務めた経歴を持つ同氏は1986年以来毎年、投資家の予想では発生確率3分の1だが自身は5割以上とみる事象を集めた「びっくり予想」を公表している。

  18年の予想のうち同氏が的中させたのは、米国の4度の利上げやドル高など。原油価格については1バレル=80ドルを上回るとの見通しを示していた。実際には77ドル近辺でピークを付け、その後50ドルを割り込んだ。

  米10年債利回りは4%に向かって上昇するとみていたが楽観的過ぎた。米共和党が上院で過半数を失うとの予想も外れた。

  19年については、米国の経済成長率が2.25%または2.5%になると予想。米中の通商合意は1−3月(第1四半期)にまとまるとみている。ドルは「安定」し、金は1オンス=1000ドルに下落、新興国市場の企業の利益見通しは改善するという。

  トランプ大統領が20年に再選される可能性は「かなり高い」とし、その理由として減税や規制緩和を実施したこと、北朝鮮との戦争を防いだことを挙げた。

  ウィーン氏のその他の予想は以下の通り:

・米10年債利回りは3.5%未満で推移する一方、利回り曲線は引き続き順イールド
・中国株は新興国市場の上昇を主導し、上海総合指数は25%高へ
・英国の欧州連合(EU)離脱問題で期限の3月29日にまでに英議会がEUとの離脱協定を承認しないが、メイ英首相は続投。2回目の国民投票が実施され、英国はEU残留を決める
・モラー米特別検察官による捜査は、トランプ・オーガニゼーションの関係者で大統領の側近に対する起訴につながるが、証拠は大統領自身に対する直接行動を後押しするものではない
・上下両院で多数派が異なるねじれ議会が予想以上の効果を発揮し、医療保険制度改革法(オバマケア)や移民政策の重要部分を維持することで前進。20年に実施される連邦インフラ整備プログラムが公表される
・テクノロジー株やバイオテクノロジー株など成長株が好業績に支えられ米株式市場を引き続きけん引へ

原題:Byron Wien Lists 15% S&P 500 Rally, No Fed Hike in Surprises (2)(抜粋)
(その他の予想を追加して更新します.)