※増税

 10月の消費税率10%への引き上げを巡り、菅義偉官房長官と麻生太郎副総理兼財務相に温度差が生じている。予定通りに増税するかなお慎重に判断する姿勢を示す菅氏に対し、麻生氏は予定通りに引き上げる立場を強調している。

 「官房長官に確認した方が良い。私は聞いていない」。麻生氏は8日の記者会見で、菅氏の発言への見解を問われ不快感を示した。

 菅氏は3日のラジオ番組で、増税の最終判断時期について、2019年度予算案と税制改正関連法案の成立が「一つの区切りではないか」と指摘。今後の経済動向について「何が起きるか分からない」と慎重な見方も示した。

 一方、財務省は、引き上げは既定路線との立場。麻生氏は会見で「消費税引き上げに当たって政策を総動員し、十分対応がなされている」と述べ、予定通りの引き上げに自信を示した。

 「リーマン・ショック級の出来事が起こらない限り引き上げる」(安倍晋三首相)との認識は菅、麻生両氏も同じ。安倍政権を支えているのは景気回復への期待感だけに、閣内には「リーマン・ショック級の事態が起きれば、また延期だ」との声がくすぶっている。【朝日弘行】

毎日新聞2019年1月8日 19時01分(最終更新 1月8日 19時18分)
https://mainichi.jp/articles/20190108/k00/00m/010/156000c
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