大阪市が救急隊増隊へ 高齢化背景に出動増加
1/10(木) 20:36配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190110-00000071-mai-soci

 大阪市は10日、2020年度までに救急隊員を60人増員し、現在の63隊(1隊10人編成)から69隊に強化すると発表した。市救急隊の出動は、高齢化を背景に右肩上がりが続いており、18年は約24万件と10年前と比べ約5万件増加。心肺停止後5分を超えると救命率が著しく低下するとされるが、15年以降、出動からの平均到着時間は5分を超える状態が続いていた。

 大阪市消防局の1隊当たりの年間出動は、全国の消防本部・局中最多の3851件(18年)で、12年以降7年連続で全国1位だった。他の政令市と比べて高齢化が進んでいることや、安易な119番通報が多く、救急隊が駆け付けても本人が医療機関への搬送を拒否する「不搬送」の割合が高いことなどが原因とみられる。

 特に15年以降、出動件数の増加に到着時間が追いつかず、17年に3隊を増隊。しかし、昨夏は猛暑で1日当たりの出動が過去最高の985件(7月23日)を記録するなど、今後も増加が見込まれる。

 今回の増隊による経費は、救急車の購入費など計約1億8000万円(人件費を除く)。体制整備後の救急隊の平均到着時間は、5分以内に戻る見通し。【真野敏幸】