https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190110/k10011773741000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_036

福島第一原発事故 ヨウ素剤配布も3分の1以上服用せず
2019年1月10日 17時45分福島第一

東京電力福島第一原発事故の際、甲状腺の被ばくを抑えるヨウ素剤の配布が行われた福島県三春町の子どもを対象に、医療機関などが当時の服用状況を調べたところ、3人に1人以上が服用していなかったことが分かりました。その理由として「安全性への不安」が最も多く、研究グループは住民への事前の十分な説明が必要だとしています。

福島第一原発の事故では、甲状腺の被ばくを抑えるヨウ素剤の配布について対応がばらつき、服用の指示が出されたのは一部の自治体にとどまりました。

子どもの甲状腺検査を行っている福島県内の病院や京都大学などの研究グループでは、ヨウ素剤が配布された原発からおよそ50キロ離れた三春町で服用状況のアンケートを行い、事故当時0歳から9歳だった961人について回答を得ました。

その結果、服用しなかったのが351人に上り、3人に1人以上が服用しなかったと答えました。

子どもが服用しなかった理由は、「安全性への不安」が46.7%と最も高く、次いで23.6%と多かった「その他」と答えた人では、効果への疑問や、乳幼児が錠剤を飲み込めないなどと回答していました。

京都大学大学院の西川佳孝さんは「実際の事故があったときの服用の実態は、まとまった調査が少なく、今回の調査結果は貴重だ。安全性への不安や効果への疑問が現れていて、各地の自治体で事前に配布する際の説明や服用の指示をしっかり行う必要がある」と話しています。
(リンク先に続きあり)