【ベルリン=宮下日出男】旧ユーゴスラビアのマケドニアの国会は11日、隣国ギリシャと合意した「北マケドニア共和国」に国名を変更する憲法改正案を、必要な3分の2以上の賛成で承認した。

 国名をめぐって1991年の独立後、四半世紀以上続くギリシャとの対立は最終解決に向けて大きく前進した。

 決着にはギリシャ側の合意の批准がなお必要で、今後の焦点となる。解決されれば、ギリシャが拒んできたマケドニアの北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)加盟に道が開かれ、ロシアが影響力増大をうかがうバルカン半島の安定にも寄与する。

 採決ではザエフ首相が率いる社会民主連合を中心に賛成が81票となり、総議席120のうち、憲法改正に必要な80票を辛うじて上回った。国名変更への反対論も強く、ザエフ政権は十分な議会勢力を持っていなかったが、反対派の最大野党の切り崩しに成功した。

 政府は国会承認後、「われわれの国家に新たな歴史の一章が記された」との声明を発表。NATOとEUも11日、それぞれ承認を歓迎した。国名の変更はギリシャが合意を批准した場合に実行される。

 ギリシャ首相府も同日、「祝意を示す」と表明し、月内の合意批准を目指す。ただ、チプラス首相の連立政権は総議席300の国会で過半数ぎりぎりの153議席を持つのみ。連立相手の保守系小党は合意に反対しており、批准できるかは不透明だ。

 マケドニアの名称は古代王国に由来し、同国は旧ユーゴからの独立時に採用。同名の地域を国内に持つギリシャは領土的野心を示すなどとして反発し、長年対立してきたが、両国政府は昨年6月、マケドニアの国名変更で合意した。

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