※夜の政治

15日午後1時に開かれた、自民党の厚生労働部会。

小泉進次郎部会長は、開口一番「あけましておめでとうございます、とあいさつすべきところですが、事案的におめでたくないので」と述べた。

その“おめでたくない事案”については、14日も「さっそく問題発生ね。波乱の幕開けですけど」と話していた。

波乱のもとになっているのは、賃金や労働時間などを把握するための毎月勤労統計調査を、厚生労働省が不適切な形で行っていた問題。

2004年以降、本来は全て調査すべき東京都内の大規模事業所のうち、3分の1のみを抽出して調査。

このため、統計上の賃金額が、実際より低く算出されていた。

さらに、2018年1月からは、全てを調査した状態に近づけるため、事態を公表しないまま、データを補正していたことも明らかとなった。

小泉厚労部会長は「この際、しっかりとうみを出し切ってもらいたい。役所自身の責任感を発揮してほしい。崖っぷちですよね」と述べた。

崖っぷちに追い込まれた厚労省は、午前中から謝罪に追われた。

立憲民主党の部会でも、公明党でも...。

安倍首相も、政府与党の会議の場で、この問題に初めて言及した。

安倍首相「長年にわたり不適切な調査が行われ、統計の信頼が失われる事態が生じたことは誠に遺憾であり、大変重く受け止めている」

公明党・山口代表「基幹統計としての信頼を損なう事態が生じたことは、誠に遺憾」

公明党・山口代表の苦言に、この表情。

今後の焦点の1つは、厚生労働省の組織的な関与や隠ぺいがあったかどうか。

15日、根本厚労相は、2018年6月の時点で、神奈川、愛知、大阪の3府県にも、課長級である政策統括参事官の名前で、東京都と同じ不適切な手法に切り替えるとする通知が出されていたことを明らかにした。

記者「組織的な隠ぺいを否定されているが、どこまでを“組織的”と認識しているのか」

根本厚労相「あの...組織的な?」

記者「“組織的な隠ぺい”を否定されている」

根本厚労相「うん、だからぁ、組織的、隠ぺいでしょ? 要は、これは3府県に通知を発出した。そしてこれは、厚労省限りの情報とされていたものではない。これを考えれば、隠ぺいということではないと」

組織的な隠ぺいを否定した、根本厚労相。

一方、野党は厚労省の官僚を呼び、追及した。

立憲・逢坂議員「そこに何らかの悪意があるのではないかとみられているのに、何でそこの説明しないんですか!」

厚労省担当者「説明していなかったことは、誠に残念でございますし」

逢坂議員「都道府県にも文書も出している。内部で事務取扱要領もある。こういうのは、普通は組織的にやっていると、一般的にわたしは思う」

さらに、2018年1月のデータの補正についても...。

厚労省担当者「統計的に復元した」

立憲・初鹿議員「その説明はおかしいよ。取り繕うためにやったんだろ」

この問題に対応するため、野党側は、国会での閉会中審査を要求。

自民党も応じる姿勢で、早ければ週内にも開かれる見通し。

2019年1月15日 火曜 午後5:50 FNN
https://www.fnn.jp/posts/00409782CX