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御嶽山噴火を3D映像で再現「火山防災に活用を」
2019年1月15日 19時18分

戦後最悪の火山災害となった5年前の御嶽山の噴火を3Dで再現したシミュレーション映像が開発され、開発を担った研究者は、噴火を教訓に安全対策に役立ててほしいとしています。

長野と岐阜の県境にある御嶽山では、5年前の平成26年9月、山頂付近で突然、水蒸気噴火が発生し、63人の死者・行方不明者が出たほか、去年1月には、群馬県の草津白根山の本白根山で噴火が発生し、1人が死亡、11人が重軽傷を負いました。

いずれも飛び散った噴石によって被害が拡大していて、こうした災害を教訓に、登山者の安全対策につなげてもらおうと、防衛大学校の山田浩之准教授らのグループは去年、噴火の様子を3Dで再現したシミュレーション映像を開発しました。

映像は火口周辺の地形が忠実に反映されていて、火口の北東側には多くの噴石が飛んだ一方、東側は山の斜面が壁となってほとんど飛ばないなど、噴石がどう飛散するかが詳しくわかるようになっています。

また、地元の神奈川県立横須賀高校の生徒と協力して、VR=バーチャルリアリティの技術を使ってよりリアルに見られるようにもしています。

横須賀高校2年の高橋璃音さんは「自分で5年前の噴火を調べ、映像も見て臨場感を出そうと突き詰めました。もし噴火に遭ったらどうするか、これを見た方が考えていただくようになればと思います」と話しました。

山田准教授は「登山者は噴火の発生で山のどこが危ないか、または危なくないのかがわからない。シミュレーションを通じてそれを事前に把握してほしい。過去の噴火を教訓に、この技術が火山防災に役立つことを期待したい」と話しています。