三浦さん 南米最高峰へ登山開始
http://www3.nhk.or.jp/lnews/aomori/20190118/6080003614.html

86歳で南米最高峰「アコンカグア」の登頂に挑戦する冒険家の三浦雄一郎さんは、
日本時間の18日午後、ベースキャンプを出発し、登山を開始します。
順調に進めば、4日後の今月22日頃、山頂に立つ見通しです。

86歳の冒険家、三浦雄一郎さんは今月10日、アルゼンチンの標高4200メートルの
ベースキャンプに入り、空気の薄い環境に体を慣らすなど、登山の準備を進めてきました。
そして、日本時間の18日午後、ベースキャンプを出発して、登山を開始することになりました。
登山初日の18日は、ベースキャンプから標高5580メートル付近までヘリコプターで移動した後、
300メートルほど登ってキャンプ地に着く行程です。
その後も、1日におよそ200メートルから300メートルという、ゆっくりとしたペースで登っていき、
順調に進めば4日後の今月22日頃、標高およそ6960メートルの山頂に立つ見通しです。

登山を前に、三浦さんは16日、ベースキャンプでNHKの電話インタビューに応じ、
「山に登るための運動機能は年相応に落ちているが、それに応じた登頂プランをしっかりと組み立て、
エベレストに登るくらいの準備をした。あせらず、あわてず、あきらめずという気持ちで、
超高齢者独特の自分のペースを守りながら、頂上まで行ってみたい」と抱負を語っていました。

三浦さんは80歳の時に世界最高峰、エベレストの登頂に成功し、最高齢での登頂記録を塗り替えましたが、
その後、体力の衰えは進んでいて、86歳での新たな挑戦が成功するのか、注目されます。
南米最高峰「アコンカグア」の登頂を目指している86歳の三浦雄一郎さんは、
天候などの条件に恵まれれば、今月18日の登山開始から5日かけて、
標高およそ6960メートルの山頂を目指す計画です。

【1日目/18日】初日は、標高4200メートルのベースキャンプから5580メートル地点まで
ヘリコプターで移動したあと、290メートル登って、最初のキャンプ地に到着します。
【2日目/19日】2日目は230メートル登り、今回の登山で初めて、標高6000メートルを超えて、
6100メートルのキャンプ地まで進みます。
【3、4日目/20、21日】3日目と4日目はそれぞれ280メートルずつ登り、
4日目に標高6660メートルの最終キャンプ地に着きます。
【5日目/22日】そして5日目に、今回の登山で最大の難所とされる「グラン・カナレータ」という
足場の悪いがれ場の急斜面を通って300メートル登り、標高およそ6960メートルのアコンカグアの山頂に到達します。

登頂後は、その日のうちに最終キャンプまで戻る計画です。
【6日目/23日】6日目は本格的に下山を開始し、およそ700メートル下って
標高5970メートルのキャンプ地まで戻ります。
【7日目/24日】7日目は標高5500メートルのキャンプ地まで下山し、
途中、雪の状態が良ければスキーでの滑降を行う予定です。
【8日目/25日】そして8日目、標高5500メートルからヘリコプターでベースキャンプに戻り、
一連の登山活動を終えることになっています。

冒険家でプロスキーヤーの三浦雄一郎さんは、青森県生まれの86歳。
父親の影響で幼い頃からスキーをはじめ、北海道大学在学中には、アルペンスキーの選手として活躍しました。
その後、プロスキーヤーとなり、30代前半でスキーのスピード記録を競うイタリアの国際大会に
日本人として初めて参加し、当時の世界記録で優勝して、注目を浴びました。

また、37歳の時には、エベレストの標高8000メートル地点からパラシュートを背負ってスキーで滑降し、
その様子を記録した映画、「エベレストを滑った男」がアカデミー賞の長編ドキュメンタリー映画賞を受賞、
冒険家として、世界的に知られるようになりました。

さらに、世界7大陸の最高峰すべてをスキーで滑るという目標を掲げ、
53歳の時、今回、登頂に挑戦する南米最高峰のアコンカグアでその目標を達成しました。
その後、いったん冒険から離れた時期もありましたが、60代半ばに差しかかったところで、
「70歳でエベレストに登る」という新たな目標を掲げて5年近くかけて体を鍛え直し、
70歳の時、世界最高峰の登頂を成し遂げました。
さらに、75歳で2度目の登頂に、6年前には世界最高齢の80歳で3度目の登頂に成功しました。
その記録は現在も破られておらず、ギネス世界記録に認定されています。

01/18 18:58