数百万円の価値がある盆栽が昨秋以降、埼玉県内で相次いで窃盗被害に遭った。海外でも人気の品種が狙い撃ちにされており、「目利き」の人物が犯行に関わった可能性がある。屋外で育てることが基本の盆栽。次なる被害からどう守ればいいのか、業者らは対応に苦慮している。

 「あれ、なんでないの?」。川口市の盆栽業者「喜楽園」を営む飯村誠史さん(54)は今月13日朝、いつものように園内を歩いていて、4鉢の盆栽がないことに気がついた。「我が子のように育てた」という盆栽だった。

 盗まれたのは、いずれもヒノキ科の「真柏(しんぱく)」という品種で、他の品種に比べ見た目が美しく、国内外で人気がある。このうちの一つは樹齢約400年、価格にすれば600万円は下らないという。園内に限られた数しか置いていない希少な作品だけに、「盆栽のことをよく知る人物が犯行にかかわったのではないか」と飯村さんはみる。

 同園では約1500坪の屋外の敷地に約3千鉢の盆栽が置かれ、敷地は開放されている。これは「難しそう」「ちょっと手が出ない」などと敬遠されがちな盆栽を、手軽に感じてほしいからだ。そのため特別な対策はしておらず、「すき」を突かれた形だ。「自由に見てもらう部分も維持しながら対策を立てたい」と飯村さんは話す。

 だが、すでに対策を施していた…残り:377文字/全文:918文字

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2019年1月21日08時42分
朝日新聞デジタル
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