漫才ロボットはがん患者を笑わせられるか?ネタはAIで瞬時に作成


 人工知能(AI)で漫才の台本を瞬時に作り、披露する2体の「漫才ロボット」は、
がん患者を笑わせることができるのか――。大阪国際がんセンター(大阪市)で
21日、ロボットを使った実証研究が始まった。担当者は「ロボットが医療や
介護などの現場で笑いを提供できるようになれば」と期待する。

 漫才ロボットは、甲南大知能情報学部(神戸市)のチームが、2009年に
完成させたボケ担当のゴン太(約50センチ)とツッコミ担当のあいちゃん
(約1メートル)の2体。「お題」を与えると、インターネットから関係する
ニュース記事を収集し、台本を自動で作る。漫才は2、3分で披露され、
灘本明代教授は「関西の大学として、笑いを届けたい」と改良を続けてきた。

 この日は、患者15人を前に、「お正月」「大阪万博」などのお題をすぐに
漫才に。「任期」と「人気」など、同音異義語のおちで笑いを誘ったが、
やや滑り気味。それでも患者の女性(72)は「がんは先が見えず、後ろ向きに
なるけれど、笑うことで楽しい気分になれた。ロボットなりの努力を感じた」
と喜んでいた。

 研究は、同センターと甲南大、奈良先端科学技術大学院大が共同で実施。
宮代勲・同センターがん対策センター所長は「ロボットの漫才でも、笑うことで
ポジティブな気持ちになれる。まずは楽しんでもらい、介護などの現場でも
活用できれば」と話した。


毎日新聞【芝村侑美】(2019年1月21日 19時50分、最終更新 1月21日 20時17分)
https://mainichi.jp/articles/20190121/k00/00m/040/186000c