児童買春・ポルノ禁止法違反などの疑いで大阪府警に逮捕された住所不定、無職伊佐川昭一被告(40)は、少女にわいせつ行為をし撮影するため全国を“行脚”していた。被告は「小中学生が好みで、趣味と実益を兼ねていた」と供述している。

 大阪府警少年課によると、伊佐川被告は主に自ら行為を撮影していたが、別の男らが撮った少女のわいせつ動画を買い取ることもあった。世の中に出回っていない「小学生らのオリジナル動画」(同被告)として売ることで、1本20万円以上もの高値で売買されていたらしい。

 伊佐川被告が立ち上げた低年齢児童への性的嗜好を持つグループ「SCK倶楽部」は、児童ポルノを売買する男らの間で▽S=小学生▽C=中学生▽K=高校生―の頭文字と認識されていた。販売する際は、警察などによる覆面捜査が入らないよう警戒。倶楽部会員になるには、持っている児童ポルノ画像3枚ほどや運転免許証の画像、携帯電話番号を送らせていた。

 福井県内の少女のわいせつ動画は、押収した同被告のパソコンから発見された。19歳の男子大学生と偽って知り合い、スマートフォンのSNSアプリを使ってチャット形式で連絡を取り合っていた。

 府警は今月までに、男5人を計22件の容疑で大阪地検に送検した。被害を特定できた少女は小学生4人、中学生5人、高校生3人の計12人。押収した動画には他にも少女が多数映っており、被害の裾野はさらに広いとみられる。

 同課は「親の知らないところでSNSを使い、見ず知らずの人と会って、ホテルに連れ込まれるなどの被害に遭っている少女が散見される。男らは言葉巧みに誘い出す。絶対に会わないよう、家庭でもしっかり教育してほしい」と話している。

2019年1月23日 午前11時15分
福井新聞
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/782417