ロシア国防省は、アメリカがINF=中距離核ミサイルの全廃条約に違反しているとする新型のミサイルを初めて公開し、「条約違反にはあたらない」と改めて反論しました。

ロシア国防省は23日、首都モスクワ郊外の軍の施設にロシアに駐在する各国の大使館の武官を招き、新型の巡航ミサイル「9M729」を初めて公開しました。

「9M729」は、ロシアが開発を進めている地上発射型の巡航ミサイルで、ロシアが射程480キロとしているのに対し、アメリカは、射程が500キロを超え、INFの全廃条約に違反していると断定しています。

ロシア軍の幹部は、開発によって破壊力が増し、命中精度が向上した一方、射程は短くなったと説明し、「条約違反にはあたらない」と改めて反論しました。

しかし、欧米や日本の軍事専門家の間ではこの新型ミサイルは、射程が1500キロを超える別の巡航ミサイルを改良したものだという見方が有力で、ロシアの主張は根拠が弱いと考えられています。

ロシア国防省は、アメリカ大使館の武官も招待しましたが、参加を拒否されたということで、条約は破棄される公算が一層強まっています。

2019年1月24日 5時22分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190124/k10011788981000.html