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ベネズエラ国会議長が暫定大統領就任宣言 混乱広がる
2019年1月24日 6時40分

ハイパーインフレなど経済の混乱が続く南米のベネズエラでは、国会議長が大規模な反政府デモを呼びかけてみずから暫定大統領に就任すると宣言するなど混乱が広がっています。

南米ベネズエラでは、マドゥーロ大統領の独裁体制が続いていることで経済が混乱し、ハイパーインフレに陥り、食料や医薬品の不足から300万人以上が難民として周辺国に避難する事態となっています。

こうした中、国会のフアン・グアイド議長が、23日、首都カラカスで大規模な反政府デモを呼びかけ、中心部には、数万人の国民が集まりました。

この中でグアイド議長は、「マドゥーロ大統領は、不正な選挙で大統領になった」と述べて、みずから暫定大統領に就任すると宣言しました。

グアイド議長をめぐっては、アメリカのトランプ大統領やカナダのほか、南米のブラジルやコロンビアなども支持を表明し、混乱が広がっています。

一方、マドゥーロ大統領側は、「私は平和と民主主義を愛しており、正当な大統領だ」と述べて、引き続き、大統領を続ける考えを示しています。

トランプ大統領も暫定大統領就任を承認

アメリカのトランプ大統領は、政情不安が続くベネズエラをめぐって23日、声明を発表し、国会のフアン・グアイド議長が暫定大統領に就任することを認めると明らかにしました。

声明の中でトランプ大統領は、国会だけがベネズエラの国民によって正当に選ばれた機関だとしたうえで「ベネズエラの民主主義を取り戻すため、アメリカの経済的かつ外交的なすべての力を投入し続ける」と述べて、マドゥーロ大統領側に対して平和的に権力を移行するよう迫りました。

そのうえで、カナダや中南米などの各国に対してもグアイド議長を暫定大統領として認めるよう呼びかけました。

トランプ大統領は、これまでマドゥーロ政権が独裁的だとして経済制裁を強めてきたほか、一時、軍事力をちらつかせて国民への抑圧をやめるよう迫ったこともありました。

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