埼玉県川越市のまとめによると、2018年に同市を訪れた観光客は前年比11%増の734万2000人だった。外国人観光客は42%増の27万9000人と大幅に伸び、いずれも統計を取り始めた1982年以降、最多となった。10月の川越氷川祭が好天で客足を伸ばしたことなどが寄与した。

川越市は近年、都心から1時間弱の立地で蔵造りの街並みを楽しめる観光地として人気を集めている。18年はテレビ番組などでの紹介も増え、市の観光シンボル「時の鐘」が16%増の96万2000人、「菓子屋横丁」が8%増の63万人と、中心地の一番街周辺で増加が目立った。

10月20、21日の川越氷川祭には悪天候だった前年を32%上回る96万6000人が訪れ、全体の観光客数を押し上げた。川越氷川神社で7〜9月に実施した若者に人気の祭事「縁むすび風鈴」も43%増の50万人を集めた。

外国人では台湾やタイ、香港などからの訪問客が多かったという。市は東京五輪に向け、市内の観光案内の多言語化や公衆無線LAN「Wi―Fi(ワイファイ)」などの基盤整備を進めている。19年以降も外国人観光客の増加傾向は続くとみて、受け入れ体制の強化を急ぐ方針だ。

2019/1/25 22:00
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40490750V20C19A1L72000/