毎日新聞2019年1月28日 15時56分(最終更新 1月28日 18時27分)
https://mainichi.jp/articles/20190128/k00/00m/040/139000c

 節分に食べ、近年人気が高まっている恵方巻きで、食物アレルギーを起こすことがあり、
中には救急搬送された事例も。専門家は注意を呼びかけている。

(関連ニュース略)

 さいたま市民医療センター(さいたま市西区)には2年前の2月3日、10代の男性が恵方巻きを食べた後、
喉に違和感を覚え、胸が苦しくなって救急車で運ばれてきた。
同日、1歳の女児も食後、顔が真っ赤になって呼吸困難に陥り、搬送された。
2人とも恵方巻きに入っていたイクラが原因とみられる。

 男性はその日のうちに帰宅できたが、女児は1晩入院して経過観察が必要なほど重い症状だった。
横浜市消防局でも昨年、恵方巻きを食べた10代の女性が救急車を呼び、搬送先で食物アレルギーと診断された。

 市販の恵方巻きにはさまざまな具材が使われ、切らずに丸かじりが勧められるため中身が見えにくい。
普段は口にしない食材もあり、アレルギーの原因となる食物を見落とすリスクがある。

 法令では卵やピーナツなどアレルギーを起こしやすい7品目の表示義務が定められているが、
外食や対面販売の総菜は対象外。
また、女児らがアレルギーを起こしたイクラは「表示が推奨される」20品目の一つで、義務ではない。

 さいたま市民医療センター看護部主任で小児アレルギーエデュケーターの森茂亮一さんは
「節分の豆まきに使われる大豆やピーナツはアレルギーを起こしやすい食物として知られるが、
恵方巻きも盲点になりやすい」と話している。【田村佳子】