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10歳女児死亡 児童相談所に緊急点検求める 千葉県
2019年1月30日 18時05分

千葉県野田市で小学4年生の女の子が死亡し、父親が逮捕された事件を受けて、千葉県は県内の児童相談所に対し、虐待の疑いがあり、おおむね1か月以上状況が確認されていない児童がいないか、緊急点検を行うよう通知を出しました。

千葉県野田市で小学4年生の女の子が死亡し、傷害の疑いで父親が逮捕された事件では、女の子が、今月に入って一度も登校していなかったことを児童相談所が事件の3日前まで把握できていなかったうえ、情報を知ったあとも直ちに安否を確認していませんでした。

これを受けて千葉県は、県内6つの児童相談所に対し、虐待の疑いがあり、児童相談所が在宅のまま指導を行っていて、おおむね1か月以上状況が確認されていない児童がいないか、緊急点検を行うよう29日付けで通知を出しました。

千葉県児童家庭課の始関曜子虐待防止対策室長は「今回の事件では、女の子の安否を1か月以上児童相談所が確認しておらず、状況の把握に不足があったと考えている。虐待を防ぐには安全確認がいちばんなので、しっかりと取り組みたい」と話しています。

虐待防止NPO「二度と同じような事件が起きないよう」

事件を受け、児童虐待の防止に取り組むNPO法人の代表が30日、千葉県庁を訪れ、児童相談所や警察などの関係機関が情報の共有や連携を十分に行い、二度と同じような事件が起きないよう要望しました。

千葉県庁を訪れたのは、NPO法人「シンクキッズ」の後藤啓二弁護士で、30日、知事宛ての要望書を提出しました。

要望書では、今回の事件について、県の柏児童相談所が虐待の疑いがあるとして一時、女の子を保護しながら家庭に帰し、その後、今月に入って女の子が一度も登校していないなど、危険な兆候があったにもかかわらず、学校や警察などとの連携ができていなかったと指摘しています。

そのうえで、児童相談所は虐待についての情報をすべて警察に提供すること、子どもの長期間の欠席や不登校などが確認された場合、関係機関で情報を共有して対応に当たること、それに児童相談所が一時保護を解除する場合は、関係機関で連携して適切に家庭訪問を行い、子どもの安全を確保することなどを訴えています。

記者会見した後藤弁護士は、「情報の共有と連携した取り組みがあれば、今回の事件を防げたかもしれない。縦割りでは意味がなく、しっかりした体制を作るべきだ」と述べました。

千葉県児童家庭課の始関曜子虐待防止対策室長は、「連携の重要性は理解している。女の子の環境の把握が不足していた部分があり、対策を講じたい」と話しています。