日本建設機械工業会は31日、2018年の建設機械出荷額(補給部品含む総額)が17年に比べて8.1%増の2兆7590億円と過去最高になったと発表した。北米や欧州向けの建機が好調だった。プラスは2年連続。中国は足元のインフラ投資が堅調だが、日本を含む外資系メーカーの受注の伸びが鈍化するなど不透明感は増している。

暦年ではこれまで最高だったリーマン・ショック直前、08年の水準を超えた。輸出は前期比17.1%増の1兆7957億円で2年連続で増えた。西日本に上陸した台風で一時輸出できなかった時期もあったが補った。北米や欧州で住宅など建機需要が好調で、インドネシアやオセアニアの鉱山機械など中近東以外の地域も堅調だった。

中国向け需要は堅調だが「需要期の春節後にどのくらい需要が出てくるかを注視したい」(日立建機の桂山哲夫専務)として先行きを慎重に見る向きは多い。日立建機が30日に発表した18年4〜12月期の中国向けの連結売上高は前年同期比5%増の824億円だが、同社は18年度の中国市場(中国メーカー除く外資)の台数の対前年増減率予想を、これまでより4ポイント低いプラス10%に引き下げた。17年度は前年比で8割上昇していただけに、伸び幅は鈍る。

国内向け出荷は5.4%減の9633億円と2年ぶりに減少した。17年の排ガス規制で駆け込み需要があったため、18年は反動減で全般的に需要が弱く、主力の油圧ショベルが1割強減った。

18年12月(単月)の建機出荷額は8.2%増の2359億円だった。排ガス規制で減っていた国内出荷が回復し12.6%増の834億円、輸出は5.9%増の1525億円だった。北米などの需要が堅調だった。鉱山需要が強いインドネシアも堅調だが「足元で石炭価格が下がり、今後需要が出てくるかは不透明」(建機工)という。

2019/1/31 14:25
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40711340R30C19A1XA0000/