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“冷戦後最悪” INF破棄で米ロの対立一層深まる
2019年2月3日 4時32分INF全廃条約

大国間のせめぎ合いが激しさを増しています。核軍縮条約、INF=中距離核ミサイルの全廃条約の破棄を通告したアメリカに対し、ロシアは対抗措置として条約で禁じられてきたミサイルの開発を始める方針を明らかにし、冷戦後最悪とも言われる両国の対立が一層深まっています。

アメリカのトランプ政権は、ロシアがINF=中距離核ミサイルの全廃条約に違反しているとして、2日、条約の義務の履行を停止し、ロシアに条約破棄を正式に通告しました。

これに対してロシアのプーチン大統領は2日、「われわれは鏡のように同じ態度でのぞむ。アメリカが条約への参加を停止すると言うならロシアも停止する」と述べ、ロシアも条約の義務の履行を停止すると表明しました。

さらに対抗措置としてアメリカのミサイル防衛システムを突破できるとされる「極超音速兵器」を改良するなどして、条約で禁止されてきた地上発射型の中距離ミサイルの開発を始める方針を明らかにしました。

地上発射型の中距離ミサイルをめぐっては、アメリカも開発に着手する構えをみせていて、冷戦後最悪とも言われる両国の対立は軍事の分野でも一層深まっています。

新たな軍拡競争への懸念が高まるなか、中国は1日、外務省の報道官がコメントを出し、米ロ両国に歩み寄りを求める考えを示しました。一方で条約をめぐって米ロ両国が中国を念頭に言及する核軍縮の新たな枠組みには否定的な立場を示し、大国間のせめぎ合いが激しさを増しています。