0001日本人 ★
2019/02/04(月) 11:28:54.53ID:fm9nf8fZ9販売しているのは、さいたま市南区でメロンパンの移動販売を手掛ける「エイト」(阪田紫帆里社長)が、昨年から運営する店舗「HAPPy HAPPy」。期間限定のポップアップ店舗という形態で、首都圏の駅構内を中心に出店している。
「面白い商品名のメロンパンが販売されている」。昨年12月、埼玉県川口市のJR川口駅前に出店した際、こんなツイッターの投稿をきっかけに一気に評判が広がり、長蛇の列ができた。「上司の話は聞きたくない」(500円)は、パンの中にホイップクリームをふんだんに盛りつけた貝殻のような形のシュークリームメロンパン。実際の上司の話も、メロンパンもシンプルが一番という意味を込めて、味はプレーン味に仕上げたという。
このほかにも、ホイップクリームとカスタードが入った「死んでも地獄におちない」、ホイップクリームとキャラメル味の「深夜のおやつジャンキー」、チーズケーキ味の「初恋チーズケーキ」…などユニークな商品名のメロンパンが並ぶ。
商品の名付け親、大槻淳子さん(35)は「ショーケースの中は“中年男性”なんです」といい、こう解説してくれた。
「メロンパンを販売していると、スイーツ好きは中年男性が案外多いと感じ、中年男性のハートに刺さるネーミングにした。『上司の話は聞きたくない』も、社長の話が長すぎるという私の経験から命名したが、サラリーマンなら誰でも共感できるはず」
興味本位で一度しか買わない人が多いのではないかと思いがちだが、実は8割がリピーター。しかも中年男性が目立ち、大槻さんらの読みは的中した。もともとユニークな商品名は、昨秋のハロウィーンの販売促進策として考案した期間限定だったが、好評だったため続けることに。買い物客を笑顔にしたい、面白いはハッピーな気分になれる。こんな発想が商品名に込められている。
「うちのメロンパンは超おいしいよ」と胸を張る阪田社長の言葉通り、シュークリームメロンパンの人気の秘密は、ネーミングに加え、パン生地にも隠されている。
メロンパンの表面を覆うクッキー生地の厚さは約1ミリ。この厚さがサクサク感を生み出している。焼きたてのメロンパンは「サクッの『ク』が聞こえないような薄さで、口の中ですぐ溶けてしまう」と阪田社長。表面が薄い分、外側の生地は柔らかく、手に持っている部分から生地がこぼれてしまうほどだ。
食べ終わると、バターと砂糖の甘い香りが鼻を抜け、幸福感に包まれる。パン屋で1種類のパンが1日30個売れれば人気商品とされるが、普通のメロンパンだけでも1日最大約2千個が売れるという。
店名の「HAPPy HAPPy」には「幸せになる味と空間を提供したい。一言でいえば、食べてハッピー来てハッピー」(阪田社長)という願いを込めた。接客にも力を入れている。マニュアルにとらわれない「クスッと笑えるようなユーモアを大切にしている」という阪田社長はこう続ける。
「例えば、指を差して『これ』と注文する人がいるけれども、こちらから『えっ?』とあえて聞き返し、『上司の話は聞きたくない』とか商品名を口にしてもらうよう工夫している。お客さんとは長々と会話もできないので、少しでも笑ってもらえるようにしたいから」
1月、JR大宮駅構内。ぽっこりした腹回りの中年男性が「シュークリームメロンパン」を買い求めた。「『上司の話は聞きたくない』、1つください」。高カロリーのスイーツはメタボの天敵のはずだが…おいしさには勝てないのか。「『幸せ』が入ってますから、こぼさないように。おいしいのでカロリーは“ゼロ”です。ぜひ真夜中に食べてくださいね」
女性店員がユーモアたっぷりに商品を手渡すと、固かった男性の口元が少し緩んだ。
深夜、どんな上司を想像してほおばるのだろうか。
https://www.sankei.com/smp/economy/news/190203/ecn1902030007-s1.html