https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20190204/0025022.html

廃棄物の“恵方巻” 家畜飼料に
02月04日 17時16分
食品廃棄物をリサイクルする会社には、節分の日のあと、恵方巻とみられる食品の廃棄物が運びこまれています。

相模原市の食品リサイクルを行う会社では、小売店などから出される食品廃棄物を1日およそ35トン受け入れ、家畜の飼料としてリサイクルしています。

3日の節分の日を受けて、ことしも恵方巻きとみられる食品の廃棄物などが運びこまれていました。
会社によりますと、持ち込まれた恵方巻きとみられる食品廃棄物の量は、去年より1割ほど少ないものの、弁当やおにぎりなどと合わせると、リサイクルするごはんなどの量は普段の日よりもおよそ2倍多くなっているということです。

日本フードエコロジーセンターの高橋巧一社長は「運びこまれているのはほんの一部で、ほとんどは焼却炉で廃棄物として処分されてしまっています。食べ物へのありがたさが希薄になっていると思います」と話しています。

節分を過ぎて廃棄される恵方巻きは、金額にして10億円あまりにのぼると専門家は試算しています。

試算を行ったのは、さまざまな経済効果を調べている関西大学の宮本勝浩名誉教授で、インターネットのアンケートや小売店への聞き取りなどから恵方巻きの売り上げ高や廃棄による損失を推計しました。

それによりますと恵方巻きを食べる人は全国でおよそ3213万人で、1本あたりの値段を800円として計算した結果、売上高は257億円あまりと試算しています。
一方で、恵方巻きの廃棄率を4パーセントと仮定したところ、廃棄される恵方巻きの金額は10億2800万円あまりにのぼる結果になったということです。

宮本名誉教授は、廃棄される恵方巻きを減らす手段として、予約販売や、消費者が買いに来た段階で作ることなどをあげています。

宮本名誉教授は、「10億円という非常に大きな金額になり驚いている。難しいことかもしれないが売り手と消費者両方が廃棄が出ないように努力していく必要がある」と話しています。