寮内で暴行や嫌がらせ、防大上級生らに賠償命令
2/5(火) 13:54配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190205-00050187-yom-soci

 上級生らから暴行や嫌がらせを受けたとして、防衛大学校(神奈川県横須賀市)に通っていた福岡県内の男性(24)が、国と上級生や同級生だった8人に総額約3700万円の損害賠償を求めた訴訟のうち、元学生に対する判決が5日、福岡地裁であった。足立正佳裁判長は7人に計95万円の支払いを命じた。

 訴状によると、男性は2013年4月に入学後、寮内で上級生や同級生に体毛を焼かれたり、遺影のように加工された写真を無料通話アプリ「LINE(ライン)」のグループに投稿されたりするなどの嫌がらせを受けた。「重度ストレス反応」と診断され、15年3月に退学を余儀なくされた。元学生8人に対しては約1400万円を請求していた。

 元学生側は嫌がらせ行為の一部を認めつつ、「学生間の指導の一環。防衛大学校の学生は国家公務員なので、職務中の不法行為による賠償責任は負わない」と反論していた。

 男性は14年8月、8人を傷害容疑などで横浜地検に告訴。うち3人が暴行罪で略式起訴され、簡裁で罰金の略式命令を受けた。防衛大の内部調査でも、複数の規律違反が確認され、当時の指導教官や学生ら計22人が処分を受けた。

 一方、国に対する訴訟は分離されており、現在審理が続いている。国への請求額は約2300万円。