米のINF全廃条約破棄 ロシアが日本をけん制
2019年2月6日 8時02分 NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190206/k10011805311000.html

ロシア政府は、ロシアの違反を理由にINF=中距離核ミサイルの全廃条約の破棄を通告したアメリカの対応に日本が理解を示したことについて「今後の対話に影響を与えざるをえない」として、平和条約交渉の進展を望む日本をけん制しました。

アメリカが、INF=中距離核ミサイルの全廃条約の破棄をロシアに通告したことについて、菅官房長官は、
「ロシアによる深刻な条約違反が継続している状況に変化はない。問題意識は理解している」などと述べて、アメリカ政府の対応に理解を示しました。

これについて、ロシアの安全保障会議は5日、
「アメリカと軍事協力を活発に進めている国から出てくる発言であり、安全保障をめぐる今後のロシアと日本の対話に影響を与えざるをえない」と批判しました。

また、ロシアのガルージン駐日大使も5日、
「アメリカが求める反ロシア政策を背景に日米同盟を強化することは、平和条約交渉をめぐる適切な雰囲気作りに寄与することはない」と述べ、ロシアに敵対する形で日米関係が強化されることは日本とロシアとの平和条約交渉にも影響を及ぼしかねないと指摘しました。

ロシアは、日本との平和条約交渉で、アメリカと軍事同盟を結ぶ日本がロシアが抱く安全保障上の課題にどこまで応えるのか見定める考えで、今回の発言は、平和条約交渉の進展を望む日本をけん制したものとみられます。