2/4(月) 22:22配信 Web東奥

 今冬、青森県内で除雪中の事故など雪が原因でけがをした人が1月末時点で71人(速報値)と、前年の同じ時期に比べ約4倍に増えたことが4日、県への取材で分かった。前年より積雪が少ないのにもかかわらず、けが人が増えている理由は定かではないが、担当者は「どかっと降った後の晴れた日にけが人が集中しているのでは」と指摘。屋根の上ではヘルメットや命綱を着用するよう注意を呼び掛けている。

 71人のうち68人が、屋根の雪下ろし中の落下や除雪中の転倒、除雪機に巻き込まれた事故でけがを負った。ほかの3人は、歩行中に建物から落ちた雪にぶつかるなどした。

 年齢別では70代以上が30人と最多。以下、60代18人、50代16人、40代6人、20代1人と年代が下がるにつれ少なくなる。全体の8割超に当たる58人が男性だった。

 年度別で見ると、近年では14年度が72人で、今冬と同じ程度にけが人が多かった。その後、15年度が52人、16年度が27人、17年度が18人と減少傾向だった。青森市の11〜1月の1時間ごとの積雪(積雪差)の合計の推移と重ね合わせると、14〜16年度はほぼ比例関係にあったが、17年度だけ大きな開きがあった。

 今冬は12月中旬や下旬にまとまった雪が降った後、晴れ間がのぞく日もあった。14年度も、12月に冬型の気圧配置が続き記録的な大雪が降ったが、その後一気に雪解けした。一方、17年12月は、低気圧の影響で津軽や下北を中心に晴れた日が少なかったことが分かっている。

 このため、けが人が増えた要因として、天気が緩んだことで、足元が滑りやすくなったことや、雪片付けに出る機会が多くなったことが考えられるが、県は「これだという理由は分からない」としている。

 今冬は1月末まで死者がいなかったが、今月3日、むつ市で小屋の屋根の雪下ろしを1人でしていた男性(72)が転落して亡くなる事故があった。県防災危機管理課の担当者は「除雪作業は2人以上で行うか、家族や近所の人に作業すると告げておくことが大事。屋根の雪下ろしでは命綱などを着け、家庭用除雪機の雪詰まりが発生した際は、エンジンを切ってから手ではなく棒などで取り除いて」と呼び掛けている。

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