1990年半ばから、ヨーロッパやアメリカで蜂群崩壊症候群(ほうぐんほうかいしょうこうぐん)なる現象が確認されるようになった。

これは、ミツバチが大量に失踪、消滅してしまう現象で、その後インドや台湾、ブラジル、オーストラリアなど、全世界に広がっていて、2013年には日本の三浦半島で被害が確認された。
 
この不可思議な現象は、それが起きる時期と、農薬を使用する時期が重なることから、ネオニコチノイド系農薬との関連性が疑われるようになり、
1999年にいち早くフランスが、続いてドイツとイタリアも、この農薬の使用規制を導入した。

そして2013年には、ヨーロッパ全域で3種のネオニコチノイド系農薬の使用規制が決定されたのだが、現象との関連性を否定する農薬メーカーはこれに激しく反発、裁判にまで発展している。
 
だが、2015年にアメリカのハーバード大学は、蜂群崩壊症候群(CCD)にはネオニコチノイド系農薬が大きく関わっていることを、2月16日までに突き止めた。

すなわち、ミツバチにネオニコチノイド系農薬を与えると、冬にCCDによく似た現象が起こることが実験により判ったのである。

ミツバチがいなくなってしまうと、ハチミツの生産に支障が出るのみでなく、多くの植物が受粉できなくなって、子孫を残せなくなる。

それで多くの先進国では、この農薬の使用と販売を禁止しているのだが、ある二つの国だけがいまだに使用している。
‥‥アメリカと日本である。
 
このネオニコチノイド系農薬は、ミツバチなど昆虫や小動物にだけ有害なのではない。当然、人体にだって有害に決まっている。

実は、発達障害などの脳の障害を引き起こすという疑いが、根強く存在している。

しかも、この農薬は「浸透性農薬」といって農作物の内部に浸透してしまうので、洗っても落ちないのだ。