こういう話を聞くたびに、松下電器の躍進のきっかけを思い出すんだよな。
昭和初期、アメリカ発の大恐慌に見舞われた日本は、解雇の嵐だった。
工員の雇用は今と変わらないような臨時雇用みたいなものが常識だった。
つまり、いつでも解雇できるから不景気の中、どの工場も解雇を当たり前にやって、町には無職があふれた。
そんな中、創業10年の松下電器はまだ小さな町工場だが、一人も解雇しない、給料も全部出すと幸之助は宣言。
その後の大金持ちでも何でもない、ただの町工場の経営者に過ぎない。
汚れ仕事できつくて、定着率が悪くて、やっと仕事を覚えて居ついてくれた工員を解雇するのが嫌だった。
そしたら工員は仕事がないから在庫を売り、代金を回収する仕事に精を出して、少しでも役立とうとした。
すると、不景気から脱した時、松下の大躍進が始まった。
熟練工を解雇してないから、いつでも生産できる。
在庫を売ってしまって、代金回収してるからフル回転で操業できる。
ほかの工場は在庫の山で熟練工が居ないから、操業できない。
受注は松下に集中する。
ここで松下はあっという間にでかくなる。
愛社精神が高まり、その後の終身雇用につながり、大企業になっていく。
情けは人の為ならずって言葉を体現した感じ。
今の時代には通じないことなんだろうか?